ドメーヌ クロ・トロテリゴット

 

1987年のクロ・トロテリゴット(Clos Troteligotte)の創設以来、エマニュエル・リビンスキーは、自然と社会と共生する昔ながらの「百姓農業」を実践してきました。
質の良いワインを造り続けるためにはブドウ畑こそが重要であり、自ずと畑を大切にしてきました。
彼のドメーヌは2014年より、有機農業ECOCERTの認証を受けています。また、2015年にはビオディナミ農法も始めました。
12haのドメーヌは、高地のテロワールにあり、AOCカオールのワインを造っています。
その土壌はシデロライト(石鉄隕石)を含む粘土石灰質のテロワールです。粘土と石灰質の赤土ですが、カオールには珍しく鉄分を豊富に含んでいます。
これらの土壌成分がクロ・トロテリゴットのワインに繊細さと複雑さを与えています。
エマニュエル・リビンスキーはこのユニークなテロワールの特徴に注目し、鉄分含有率によって畑を細分化し、それが品種マルベックに与える表現の変化を、「K」「K2」「 K-POT」というAOCカオールのワインに反映させました。
エマニュエル・リビンスキーがカオールの造り手で最も前衛的であることに誰も異論はないでしょう。彼の取り組みには驚かされます。
クロ・トロテリゴットはこの地方の昔の方言で「平和の鳩の地(Terre des Colombes)を意味しますが、彼の暮らしがそれをよく示しています。
彼の造るワインは、古いカオールと新しいカオールの境にまたがっているような感じのスタイルです。醸造は添加物を使わずに自然に行い、生き生きとしたフルーティーさを表現します。
土に含まれる鉄分が驚く程のミネラル感をワインに与えます。ドメーヌは標高の高いところにあり、有機農法を行うには有利にはたらきます。霧が発生する高度よりも上にあるため、カビによるベト病(ミルディウ)の恐れが全くないからです。
馬で耕作し、狭い間隔で畝をつくります。リビンスキー一家は文字通り土地で食べています。果物、野菜、シリアルを生産し、手作りの風車で製粉し、家畜を育て、森を管理して木材をとり、煮炊きや暖を取るために使い、麻を栽培して衣服をつくりといったように地産地消の生活を送っているのです。